明けましておめでとう御座います。年末恒例の滝修行のご報告を新年のご挨拶に代えたいと思います。

今年は趣向を変え、足柄の夕日の滝から関東珠玉の霊山高尾山での滝行を行いました。高尾山には二つの滝があり、それが蛇滝と琵琶滝であります。祀られる神様の違いは割愛を前提に、前者は立ち姿で、後者は座行により滝修行を行います。我々は琵琶滝を選択します。その理由は藪の中ですが、共に素晴らしい滝であることは違いないでしょう。極寒の中で紫色に悴んで仕舞いにはぽろりと取れてしまうのではないかと思わせんばかりの足の小指をまじまじと見つめながら身体に塩を擦り込みます。片膝をついて井戸から湧き出る深水を頭から掛ければ、後は気絶でもしない限り滝に打たれる他有りません。人生の過酷さを噛み締めながら一歩一歩階段を降りると滝壺の中心に御座が待ち構えています。滝行の究極は「無」であります。だから滝の中で何を思うか、何を唱えるかは真に些細なこと。ただ、どれだけ滝に向かえ合えるかにより来年の一年が占われてしまうのは、レンジャーをその看板に掲げた我々弊所所属弁護士の宿命であるかのように感じます。滝はいつも想像を遥かに超えて冷たく厳しい。しかし、それと同時に「あぁこれが人生か。だったらもう一度」と思わせてくれるものです。

「顧客に力強い物語を」その為に発生回避が著しく困難な弁護士の認知的不協和を肉体的実存を通じてジンテーゼして行くと言った我々の使命も10thアニバーサリーがその視界に入って来ました。先ずは今年一年どうぞ宜しくお願い致します。